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ジャズテナー エリック・アレキサンダー

THE SAX 54 特集「進化するジャズテナー」インタビュー完全版
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三木 演奏についてですが、ソロをとっている最中はどのようなことを考えていますか?

エリック その質問に対しての答えは2つある。一つ目はソロの中で試したいと思っているアイデアをどうやったら使えるかを考えている。これは難しいことだ よ。バンドはエキサイトしながら演奏は続いている。止まって考えるわけにはいかない。でもその中でそれを無理にでも吹けるように持っていくのはとてもいい 練習になるんだ。たとえばこの曲のサビの部分でこのアイデアを使いたいと思う、そうしたらその2小節前に吹くのを止めて考えるんだ、OK,いくぞ、よし 「発射!」ってね。必ずしも決めのフレーズというわけではなく、このコード・チェンジの代理コードといったハーモニックなアイデアが多いけど。
そしてもう一つはそれとは逆のことだ。つまり何も考えない。ちょうどこの会話のようなものだね。練習ではものすごく具体的に絞ったアイデアをトレーニング するわけだが、本番ではそれを考えない、というよりものすごいスピードで音楽は進んでいるのでそれを頭で考える時間はないんだ。お互いの発する言葉にその 場で反応するんだよ。

三木 では、そのハーモニックなアイデアの一つを教えてくれませんか?

エリック OK、これは秘密にしておきたかったんだが、いいだろう。バリトンサックスのセシル・ペインに教わったものだ(譜例1参照)。

Ⅱ−Ⅴのフレーズだが、2小節目は1小節目を増4度上にそのまま移調したもので、いわゆるトライトーン・サブスティテューション(裏コード)と呼ばれるものだ。これはこういうコードを想定している。

このパターンを4度上(5度下)に続けて行くとこうなる。


例えば、「Cherokee」のサビのセクションの部分でこれを使うとこうなる。

 

三木 なるほど。とても参考になりました。ありがとうございました。
今晩のライブも楽しみにしています。

エリック そうかい、それまでに良いリードを見つけなきゃ(笑)。




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