トランペット記事 この音は確実に武器になる。
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ベストブラスマウスピース“ARTEMIS”

この音は確実に武器になる。

GEAR

国産トランペットメーカーとして今年で創業25周年を迎えるBEST BRASSから、新作マウスピース“ARTEMIS(アルテミス)”が発売となる。満を持してマウスピースのど定番に殴り込むという大注目のマウスピースを試奏検証してくれたのは、日本を代表するアーティストとして、ジャパニーズカルチャーを世界に発信をつづけている秋山璃帆、田尻大喜の両氏。果たしてBachやYamahaを超えるニュースタンダードになるのか!?

ベストブラスマウスピース
ARTEMISアルテミス

ARTEMIS 3
銀メッキ仕上/リム内径 : 16.85mm
価格:19,800円(税込)

ARTEMIS 7
銀メッキ仕上/リム内径 : 16.25mm
価格:19,800円(税込)
※金メッキ、1,5,9のサイズも特注で対応可能。
詳細はinfo@bestbrass.jpまで。

発売日: 2024年4月予定

 
Profile:秋山璃帆
高校卒業後、ヨーロッパに渡りベルリンを拠点にトランペット奏者としての活動を開始。帰国後は、ゆず、SEKAI NO OWARI、乃木坂46、大塚愛、SKY HI(AAA 日高光啓)、angela、スガシカオなどのレコーディングやライブ、TV出演、MVに参加。自身を『和ファンタジックトランペッター』と名乗り、古き良き日本と新しき日本の素晴らしさをファンタジックな音楽に乗せ、活動の幅を広げる。後進の指導にも力を入れ、「高音から低音までバテずに楽に吹けるトランペット演奏法」を提唱し、指導活動も行っている。
お問い合わせ:contact@flatthird.com

使用楽器:YAMAHA YTR-9335CH(特注品)
使用マウスピース:Bach 10 ½E
Profile:田尻大喜
『人を笑顔にするトランペッター/作曲家』。東京音楽大学卒業後、パリ・ベルリンにて研鑽を積む。オーケストラ、吹奏楽の客演を務める他、NHK紅白歌合戦をはじめTV番組、映画、アニメ、CM、舞台などマルチに活動し、矢沢永吉、いきものがかり、miwa、SEKAINOOWARI、RADWIMPS、SHINeeなどのサポートミュージシャンを務める。これまでに3作のアルバムをリリースし、47都道府県ツアーなど精力的に活動する一方で、トランペット、尺八、津軽三味線からなるバンド「暁 AKATSUKI」のリーダーとして世界に向けた日本文化の発信をしており、国内外で年間通算160本以上の公演を行なっている。

使用楽器:Van Laar B1
使用マウスピース:Bach1 ½C、Toshi’s Trumpet Atelier TT1、TTW1
 

銀メッキに求める「ど真ん中」のマウスピース

田尻さんはアルテミス 3を吹いていただきましたが、率直な感想は?
田尻
鳴りが凄く良いですね。それに音になるスピードが速い。以前、ステージでベストブラスの「アフロディーテ」を吹いたことがあって、そのときも鳴らしたい音までの到達時間がめちゃくちゃ速くて、遠鳴りする楽器という印象でした。それがマウスピースにも現われてる。
秋山
聴いていてベストブラスの方がハイの成分が伸びやすい印象ですね。
田尻
お世辞なしで好きかも。吹いてて気持ちがいいです。ストレスがないっていうか、少ない力でそれ以上の効果が得られる。今すぐ乗り換えたいぐらい(笑)。
秋山
バックの方は良い意味で聞き馴染んだ音ですけど、ベストブラスは新しいサウンドって感じがしますね。
田尻
音色は明るめで、シルバーらしさがあります。どの音域でもムラなく鳴ってる感じがします。ベストブラスの楽器と組み合わせて吹いてみたいですね。
秋山さんはアルテミス 7を吹いていただきましたが、率直な感想は?
秋山
私、実はフラットめのリムはあまり好きじゃなくて、自分のマウスピースが一番だと思ってたんですけど、吹いてみたら全然吹きやすかった(笑)。音になるまでが速いっていうのと、音色が明るくて、銀メッキに求める「どセンター」という感じがします。吹奏楽やポップスとの相性がめちゃめちゃいいと思う。ベストブラスさんのサイトに、「エッジは鋭ければ鋭いほどほど、アタックがクリアになる」って書いてましたが、その傾向は感じました。リムバイトのエッジは立ってるけど、唇の柔軟性を保てる印象でした。
田尻
エッジはかなり立ってますよね。リムの内側触ってみるとよくわかる。自分はエッジ立ってる方が好きで、バックもエッジが立ってるものを選んで使ってるんですけど、これは狙ってつけてるんでしょうね。
秋山
私も本当はエッジがある方が好きで、でも他のマウスピースだと刺さって痛いから避けてきたんですけど、ベストブラスはそれを感じない。カップの深さも普段使ってるバックの10 1/2Eと同じくらいに感じる(笑)。ただのUカップじゃない気がしますね。Uなんですけど最後らへんでVみたいになってるような。内径が狭いのにもかかわらず、大きめのマウスピースみたいな音が出るのがなんでだろう(笑)。
田尻
僕も同じ印象。アルテミスの3は口径がバックの3Cに近いんですけど、息の入り方はバックの1C吹いてる感覚に近い。
秋山
アルテミスのサイズは3と7だけみたいですけど、両方のサイズ感を補う良さがあってこのサイズ感に収まってるのかもですね。
凄く吹きやすいですけど、もしシャンク径が大きいなら、あとはバテやすくないかどうかですね。こればっかりは長時間吹いてみないとわからない。
田尻
マッピって長く使ってみないと本当に自分に合っているかはわからないよね。すごく吹きやすくて気持ちいいから、吹きすぎちゃって自滅しちゃうこともある(笑)。
秋山
レコーディングだとその場でパッてすぐに変えれるけど、コンサートはそうはいかないですしね。これでもしバテなかったら本当に太鼓判押せる。でもバックとかヤマハをずっと使ってると「この子なら大丈夫」って信じてる部分もあるから一概には言えないですね(笑)。それで新しいものに挑戦できずにいる人も多いと思うし。
田尻
失敗したらすぐ新しいマウスピースのせいにしちゃうとかね(笑)。
秋山
私はマウスピースは“お守り”だと思っていて、これは高い音が出やすいとか、これはこういう音色が出るっていう自分の中のイメージが音色を引き出すと思ってます。だからマウスピースを変える人にとって、これはこれ用って分けてること自体が助けになってると私は思う。
田尻
それ凄くわかります。僕はコンサートの中でコントラストをつけたいので、カップの全然違うものを3本くらい用意して使い分けますし。
バックやヤマハのような「定番のマウスピース」を狙って作られた点はどう感じますか?
田尻
トランペットって基本的に気持ちよく吹きたいものだと思いますが、これは誰もが憧れるような音を作りやすい。そういう意味でもトランペットの定番になりうるマウスピースだと思う。
秋山
「トランペットらしい音」が鳴ってくれますよね。ターゲットもちゃんと考えて設計されてる感じがする。私はバックの音色の良さってすごくあると思うし、音色の自由度の高さが魅力で使ってますけど、ベストブラスはマウスピース自体の“導く力”が凄いんですよ。ベンドを吹いた時でさえピッチがきれいにハマってくれる。
田尻
僕も半音階を吹いたときに、マウスピース側に正確に並べてもらってるような感覚になりました。
秋山
「ここに行ってください」っていうマウスピースの導きがありますよね(笑)。
田尻
カップはグルーヴと同じようにサテンぽくなってますが、触るとグルーヴよりツルツルしてますね。息の通り道だから息の流れにかなり大きな影響があると思う。ちっちゃい音でもちゃんと輪郭を残して鳴るし、弱く吹いてもしっかり聞こえる。
秋山
私の門下では、特に弱い音はスロートの穴めがけて息が真っ直ぐ入るように、音域によって角度が変わらないよう吹かせるんですけど、このマウスピースは角度が変わってもセンターに行きやすい。ピアノを吹くのが苦手な人にとってこれはかなり補助になると思う。

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