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吹奏楽お悩み相談室 耳を鍛える/ファゴット&オーボエ編

wind-i mini 1号 吹奏楽お悩み相談室 vol.1

ファゴット

ファゴット吹きの悩みで一番多いのがリードのこと。読者のみなさんも悩んでいる方が多いのでは!? そこで、リードのことはもちろん、左手の負担を軽減する方法や、楽器の扱い方について、シエナ・ウインド・オーケストラの鹿野智子さんに聞きました。お悩み解決のヒントにしてください。

ダブルリードの秘密に迫る

ファゴットのリード

ファゴット吹きの悩みの7割がリードのことだと思います。ファゴットのリードはケーン(葦)材を削ったものを上下2枚に重ね合わせて作られています。
ファゴットを吹くと、大きい音で吹きたいときにはよく聴こえなくて、音量を必要とされないときは、発音がはっきりしすぎて目立つこともあります。正しい奏法で吹くのはもちろんのことですが、音量の問題はリードさえ良ければ解決することが多いのです。しかし、良いリードがどういったものなのか、わからない人が多いと思います。楽器店の多い大都市に行って試奏できる人はいいのですが、そうでない地方の人は、自分でリードを選ぶことができない通信販売で購入されることもあると思います。 ただ、良いリードといっても、それぞれ骨格や好みなどが違いますのでファゴット吹き全員に合うようなリードはありません。また、リードが良くないことに気づかないまま、自分の調子が悪いと勘違いしている人がけっこう多いです。 私は中学生のとき、通信販売で完成品を買って、善し悪しなどがわからず使っていたのですが、あるメーカーの新発売のリードを使ったら、とても良くて「リードを替えるとこんなに吹きやすいんだ」と思いました。そういうことは経験を重ねていけばわかることなので、いろんなリードを試したほうがいいです。リードが良ければ、なんでもできるような気がします。少なくとも音が出ないんじゃないか、失敗するんじゃないか、というストレスがなくなるので、吹いていて楽しいです。

ファゴットのリードの種類

ファゴットのリードは完成品、半完成品があり、さらにケーン材そのものも販売されていて自作する人もいます。プロ奏者は自作する方が多いと思います。リードは高額な上に削るのがけっこう大変で、ひと削りでダメになることもあります。リードを自作する場合は吹きながら調整していきますし、目標としている音がないとリードは作れません。ひと削りの感覚が備わっていない初心者は、完成品を試奏して自分に合ったものを選んだほうがいいと思います。
もちろん、完成品を買うよりもケーン材を買って手作りしたほうが安いです。ただ、ケーン材の状態によっては使えるリードにならないこともあるので、プロ奏者も悩んでいると思います。私も上手く作れなくて、完成品を買おうかと思うときもあります。

リードの作り方

自作する場合は、サイズなど好みもありますが、まず息漏れなどしないような、きれいな形を作ることが重要です。削り方については人それぞれ違いますが、私はナイフで粗削りをしたあと、サンドペーパーを使います。サンドペーパーも最初は目の粗いものを使ってある程度削り、徐々に目の細かいものを使って仕上げていきます。

リードは数本用意しておいたほうがいい!

プロ奏者の方は、主力で使うものを5本以上用意してあります。さらに、そのほかに10〜20本ほど持っていますが、1本1本が高いので学生はなかなか用意することができないと思います。でも、1本しか使っていないと、そのリードがダメになった場合、ほかのリードをいいと思えなくなってしまいます。だから、3本くらいは用意して、ローテーションで使っていくのがいいでしょう。そうすると長持ちします。

ファゴット

※リードが上下2枚に重ねられているのがダブルリードの特徴
※ファゴットは細長い金属管のボーカルと呼ばれる吹き口にリードを入れる

リードは数本用意しておいたほうがいい!

 

(前ページの答え)
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