初めて楽器に触れる人に覚えてほしいこと3つ
①まずは楽器の価値を理解してもらおう!!
学校によっては何十年も使っていて、見た目が古い楽器もよく見かけますが、楽器は決して安くないということを教えて大事に扱ってもらえるように伝えましょう。これを知っていて扱うのと知らないでは、もちろん初めて触れるものなので最初にちょっとびびらせておこう!! 僕の知り合いの学校には楽器ケースに楽器の値段を全部貼っており、一目でわかるようにしているところもあります(少し極端ですが……)。
②楽器の掃除方法をきちんと教えよう!!
これは楽器を心地よく演奏するためにとっても大切なことです。特にスワブを通すときなどに、“シャッ”と素早く通すのをよく目にしますが、スワブは何のために通すのですか? 水分をとるためですよね! しっかりスワブを伸ばしてゆっくり(楽器の中の水分をスワブに移すように)通しましょう。トーンホールから水分が出てきてタンポについたままにしておくとタンポの寿命が短くなってこまめに交換することになってしまいます。特に冬場はこまめに通さないと、割れる原因になるので気をつけましょう! あと、マウスピースはスワブを通したらいけないという都市伝説をよく聞きます。こまめに通す必要はありませんが、その日一日の練習終了後にはゆっくり通しましょう。
③楽器を吹く前には、歯みがきをしよう!!
これは仕事場では当たり前で、昼食後にはトイレに行列ができるぐらいです。そのまま演奏してしまうと、どうしても食べかすが楽器の中に入ってしまいますよね? それが、溜まっていくと……もう解りますよね? 塵も積もればナントカですよ!
音を出してみよう!
まずは、アンブシュア! まず、口を“パクッ”と閉じた時に上の歯と下の歯のどちらが前に出てるかな? だいたいの人は上の歯が前に出ると思うんだけどどうかな? それが確認できたら上下の歯をそろえよう。 するとどうなるかな? 少し顎を前に出したよね? それを基本に次のステップにいってみよう。
【写真①】
次は口の形!! “イとウの中間”を目指そう。 この時に口が尖りすぎないように。 コツはまず“イーー”って言いながら口を“ウーー”の口に持っていく。 するとこんな感じにならないかな?(写真①) 鏡を見ながら練習しよう。 この時言葉が“イーー”から“ユーー”に変化していったら正解。 根気よく練習しよう。 上の唇より下の唇をより真ん中に寄せるようにしてみると上手くいくかもね。 この時に真横から鏡で見たときに唇が突き出た感じにはならないようにね。
【写真②】
次にマースピースだけで音を出してみよう!
この時付けるリードは先輩が選んであげようね。 よく現場にいくと、リードは髪の毛1本分下に………って習っている生徒をよく見かけるけど、ちょっとみんな剛毛な人が多いのかな? マースピースとリードが大体同じ高さにするつもりでセットしてみよう(写真②)。
ちゃんと音が出たかな? もし何回かトライしてみて音が出なかったら先輩に頼んで違うリードを付け替えてもらおうね。 なんの音が出たかな? チューナーで確認してみよう。この時、H(ド#)C(レ)だったら合格! Cis(レ#)だったらちょっと力みすぎかな。
ただ、これはあくまでも目安なので厳密に守る必要はないです。ちなみに僕はBb(ド)が鳴ります。あまり力を入れて吹くとリードの振動を妨げる原因になって響きのない音になってしまうことだけ理解しといてね。
ここまでできたら、クラリネットにマースピースをつけて持ってみよう!!
まずは指の形だけど、爪のちょうど真裏ぐらいのところで押さえよう。ただし、左手の薬指は指の側面辺りで(写真③:左)。 左手の親指はレジスターも押さえないといけないので、指の形がだいたい7時の方向に向くように! 決して6時にはならないように(写真③:右)。
【写真③】
では、音を出してみよう! まずは、何も押さえずに音を出してみよう! 出たかな?上手くいかないときは、先輩がベルを持って少し口の中に押してあげよう!(写真④) こうすると、勝手に口に力が入って上手くいくことが多いです。最初は先輩が常にフォローをしてあげられるといいね。
【写真④】
何事も最初が肝心です! 先輩も初心者のみんなも我慢が大事。出せる音が増えてくると楽しくもなる。先輩たちも音が出たらいっぱい褒めてあげよう。褒め称えるぐらいでもいいよ。
まずは、「君には天性の才能がある。きっと、君ならもっと上手くなれるよ‼」ぐらい言っておけばほぼ確実に初心者の心を鷲掴みだね! だから上手くいかなくても諦めずに何度もトライしよう! きっとできると信じて………。
※こちらの記事は、Wind-i vol.5を一部抜粋し掲載しています。