みなさんこんにちは! 今年からアルトクラリネットを担当することになって「え~、吹いたことないし~」「超難しそうだしぃ……」「どうしたらいいんだろう……」等々いろいろと心配している人もいると思います。そんな皆さんがレベルアップできればと思います。では、さっそく本題に入りましょう!
初めて楽器に触れる人に覚えてほしいこと3つ
①まめにスワブを通そう
アルトクラリネットは、結構タンポに水が溜まりやすい楽器です。大きいので多少溜まっても大丈夫なように思いますが、水が溜まるとすぐに音が出なくなりますので、まめにスワブを通して楽器内の水分を拭き取るようにしましょう。
②楽器を固い物の上に置かないようにしよう
楽器を机の上、床など固いところの上に置くのは止めましょう。アルトクラリネットは1、2箇所のキィが当たってしまい、楽器の重みでキィがゆがんでしまいます。クッションが付いた椅子や開いたケースを使い、キィに負担がかからず、キィがなるべく物に接触しないように工夫して置くようにしましょう。
③手入れはまめにしよう
アルトクラリネットは、大きいですが繊細です。楽器を吹き終わったらスワブを通して十分に水分を取ることはもちろんのこと、楽器をきれいに拭いてあげるようにしましょう。丁寧に扱うことで、楽器の寿命も長くなりますし、調子の良い状態が続きます。
音を出してみよう!
◆アンブッシュア◆
アルトクラリネットは、Bbクラリネットより大きいので、当然マウスピース、リードも大きくなります。アルトクラリネットをBbクラリネットと同じようなアンブシュアや息で吹こうとしても、大体の場合はよく鳴ってくれません。アンブシュアは、基本的にBbクラリネットと同じですが、より良い音で楽器を鳴らすために、次の2つの点を意識しましょう!
①アルトクラリネットのマウスピースはBbクラリネットよりも大きいので、マウスピースをより深くくわえるようにしましょう。写真を見てください(写真①)。Bbクラリネット(上)とアルトクラリネット(下)のマウスピースの先端とリードを見てください。アルトクラリネットのほうが先端のリードとマウスピースの開きが大きいことと、フェイシング(リードがマウスピースから離れる部分からマウスピースの先端までの長さ)が長いことが分かると思います。もちろん、リードも大きいです。ですから、Bbクラリネットと同じような深さでくわえて吹くと、リードの振動を止めてしまい、音が出にくくなってしまいます。ビーク(歯とマウスピースが当たる部分)の形状がアルトクラリネットのマウスピースのほうが細く、なだらかになっていますね。これは、マウスピースを深くくわえられるようにするためです。自分で「少し深くくわえすぎかな?」と思うぐらいでちょうど良いと思います。音が出にくかったら、もう少し深くくわえて吹いてみてください。音が出やすくなると思います。
②口の両端を引きすぎないようにし、口を締めすぎないようにしましょう。リードの振動、出る音を柔軟にするためです。Bbクラリネットと同じように口の両端を引いて吹くと、浅くくわえたときと同じようにリードが振動しにくくなってしまい、音色が固くなってしまいます。「エ-」と声を出してみてください。そしてその口の形のまま「ウー」と発音してみてください。なかなか「ウ」の音にならないですね。自分でもこれくらいで「ウー」って聞こえるかな?と思うときに口の両端を気にしてみてください。どうですか?「エ」のときよりも引きが弱くなっていませんか? (少し口がすぼんだ感じ)その感じでマウスピースをくわえましょう。大きなリードを十分に振動させるためには、唇(とくに下唇)を柔軟にしておくことが大切です。そのために口の両端を極端に引きすぎないように注意しましょう。
◆リード◆
初めは薄いリードで吹きましょう。まずは薄めのリードで楽器の鳴りを体感できるようにしましょう。太い音を出そうといきなり厚めのリードで吹いてしまうと、楽器は鳴らずに、ただ苦しいだけになってしまいます。初めは「ビャービャー」とした音で構いませんので、まずアルトクラリネットはどういう音なのか、どういうふうに鳴るのかを知ることが大切です。音が出るようになったら音をまとめていけばOKです。まずは薄いリードで楽器を鳴らしましょう!
◆息◆
Bbクラリネットと比べると、遅くて太い息を使います。なぜかというと、アルトクラリネットはBbクラリネットと比べて本体、マウスピース、リードが大きいので、Bbクラリネットと同じスピードで吹くと、リードミスが出たり、リードを十分に振動させることができなくなるからです。太い息で吹くためには、ブレスをするときにあらかじめ太い息を吸うことが大切です。細い息を吸って、それを太く出そうとするより、太い息を吸っておいて、そのままの息を吐くようにしたほうが効率が良く、楽だからです。「ホー」と声を出してみてください。声が出なくなるまで息を吐いたら、その喉の状態のまま息を吸ってみてください。太い息が吸えますね。吹く息は、このような息を使うことを覚えておきましょう!
※こちらの記事は、Wind-i vol.5を一部抜粋し掲載しています。