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ランクアップ講座 -サックス-

Navigator:新井 靖志 / 田端 直美 / 貝沼 拓実 / 大津 立史

バリトンサックス

Navigator:大津 立史 T a t s u s h i O t s u

大津立史

日本大学芸術学部音楽学科を首席で卒業。卒業時に芸術学部賞受賞。桐朋学園大学研究科修了。第13回日本管打楽器コンクール第4位入賞。第60回読売新人演奏会、東京文化会館推薦音楽会に出演。現在。シエナ・ウインドオーケストラサクソフォン奏者。

初めて楽器に触れる人に覚えてほしいこと3つ

①初めてバリトンサックスに対面したとき、まずそのケースや楽器のデカさにびっくりしますよね。しかも楽器の重さは約7キロあります。その重さを自分の体で支えなくてはなりません。ですので、ストラップはできるだけ首に負担がかからないものを使いましょう。どうしても首に当たる部分が細いものしかない場合は、首に当たる部分にタオルなどを巻いて、できるだけ楽に演奏できるようにしましょう。

②そんなデカい楽器でも、とても繊細なのです。気を付けないと持ち運びのときに椅子やテーブルなどにすぐ当たってしまいます。皆さんもたまに足の小指をテーブルの角に当てて、「ギャー痛いぃー!」ということありますよね。楽器も皆さんとまったく同じ、声は聞こえませんが、“ギャー痛いぃ!” と叫んでいますので、自分の友だちだと思って丁寧に扱ってくださいね。

③そう、楽器は友だちです。友だちとは毎日会いたいし、毎日遊びたいですよね。ですので、できる限りたくさん吹くようにしましょう。奏法など身に付いたら忘れないですが、時間が経つとできていたことができなくなっていたりしますので、日々の練習が大切です。

 

音を出してみよう!

①まず姿勢です。

必要以上に背筋を伸ばしたりまたは丸めたりする必要はありません。大事なのは大きく深く力まずに呼吸ができるかどうかです。何回か深呼吸してチェックしてください。

②次にストラップの長さの調整です。

上記の呼吸ができる姿勢ができたら、その姿勢を変えないでマウスピースが口にすっと入るようにストラップの長さを調節しましょう。長すぎると前かがみになりますし、短いとあごが上がります。同時にネックの左右の位置やマウスピースの傾きも調整が必要です(写真①)。 

【写真①】

③次にアンブシュアです。

アンブシュアとは演奏者の口の形やその筋肉などの使いかたのことです。上の歯はマウスピースに当て、最初は振動でくすぐったい感じがすると思います。ですがすぐ慣れるので必ず当てて支えてください。バリトンの場合はアルトよりも少々深めにくわえます

ちなみに僕はマウスピースの先端から15mmのところに歯が当たります。絶対にこの位置でということはまったくありません。マウスピースの種類によっても異なりますし、一人ひとりの歯の並びも顎の形も違いますよね。12mmくらいから15mmくらいで試してください。顧問の先生や先輩、もしサックスのコーチが来ていたら素晴らしいですね、聞いてみてください。浅すぎると、こもったような小さい音がすると思います。反対に深すぎると荒く大きな音がすると思います。ですがまずはじめは、ストレスなくたくさんの息が楽器に入る位置を探して位置を固定しましょう。

毎回位置が変わることのないようにすることが大事です。マウスピースの傾きですが顔が曲がらないように位置を調整しましょう。下唇は軽く下の歯に巻きます。ちょうどリードと下の歯の間のクッションの役割だと思ってください。そのとき、顎にかかる力が上に向くと顎の部分がシワシワになっていまします(写真②:左)。そうではなく、顎の部分が反るように軽く顎を引く感じだと良いですね(写真②:右)。

【写真②】

 

※こちらの記事は、Wind-i vol.5を一部抜粋し掲載しています。

 CONTENTS

◆1ページ:ソプラノ・サックス 新井 靖志
◆2ページ:アルト・サックス  田端 直美
◆3ページ: テナー・サックス 貝沼 拓実
◆4ページ:バリトン・サックス 大津 立志

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