まず、私が日頃とても大切にしていることをお話します。それは「自分自身をできる限り上手い環境に置く」ということです。突然ですが、皆さんは英語を本気で喋りたいと思ったら、どんな行動をしますか? 多くの人は英会話などに通い、英語が母国語の方に習おうとするでしょう。もっとすごい人だと、その国に行けば喋れるようになるでしょ!と外国に行ってしまう人もいるかもしれません。それはとても自然な発想で、人はその環境に適応しようとする能力を持っていることを表しています。 では、トロンボーンの場合どうでしょうか。「プロのオーケストラや吹奏楽団の演奏会を聴きに行くことや、講習会に参加すること、レッスンを受けてみることなど、プロの演奏家がどのような音でどのような音楽を奏でているのか、実際に触れてみることに、上達するヒントが隠されていると私は思っています。特にプロの演奏家の音を間近で聴くことは本当に勉強になります。あなたはあなた自身の音をホールの客席で聴くことはできないので、客席で自分とプロの音を比較することはできませんが、レッスンや講習会などに参加すると間近で自分とプロの音を比較することができます。そこにはたくさんの驚きと発見があることでしょう。 時代も幸いし、インターネットを使えば自分の街にプロの楽団がくるときも、その情報を簡単に手に入れられると思います。勇気を出してレッスンをお願いしてみるのも上達への近道です。 さて、長くなりましたが本題の楽しくできる個人練習を一つ紹介したいと思います。個人練習でもできますし、友だちと二人でもできる練習です。 【譜例①】を見てみましょう。普段みなさんが練習しているであろうロングトーン(フェルマータの音)と音階練習を組み合わせてみました。
【譜例①】
まず一番大切にしてほしいことは「良い音で吹く」ということです。普段から音に対してのこだわりを持ちましょう。ロングトーンは「良い音で吹く」ことにぴったりの練習です。 音階練習は音程感覚を鍛えるのにとても良い練習です。ですから、何回も反復して練習できるようになっています。この練習の時はチューナーをできるだけ使わずに、自分の耳だけを頼りに演奏してください。自分の耳に届く演奏が美しく心地よいメロディに聞こえるような感覚で演奏しましょう。 今度は【譜例②】をみてみましょう。【譜例①】を二人で追っかけっこする練習です。
【譜例②】
【譜例①】との違いは自分が音階を演奏するときは相手が主音(音階の始まりの音)を伸ばしているということです。相手の伸ばしている主音と自分の動いている音が心地よくハモるように演奏するよう心がけましょう。この練習も自分の耳だけを頼りに練習してみてください。音程というのは、必ずしもチューナーの真ん中にきている音程が正しいとは限りません。なぜなら、一つの演奏会をする中で音程は常に流動的だからです。その時の状況ですぐに周りに合わせられるようにプロの演奏家はいつも耳を鍛えています。
※こちらの記事は、Wind-i vol.7を一部抜粋し掲載しています。
◆1ページ:トロンボーン 今村 岳志◆2ページ:バストロンボーン 佐藤 敬一朗
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