クラリネット記事 続・Close-Up Interview 米倉森
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Close-Up Interview

続・Close-Up Interview 米倉森

つまりドバイはお金持ちということです

つまりドバイはお金持ちということです

新型コロナウイルスの感染が拡大したころはドイツにいらしたんですよね?
米倉
そうです。それから、日本に帰国しようと思ったきっかけもコロナでした。コロナが流行りだしたころ、2020年2月のドイツはもう完全にロックダウンがされていたので日本に戻ったんですね。日本ではまだある程度オーケストラのコンサートをやっていたので、日本のいくつかのオーケストラに客演させていただきました。あの頃はドイツではまったく演奏活動をできておらずすでに決まっていたオケとのコンチェルトや、構想していたリサイタルもなくなってしまっていたので、とてもありがたい機会でした。学校のレッスンだって一年半くらいはずっとオンラインしかやれなくて、時差を考えながら秋田から何ヶ月もオンラインでレッスンしていました。結局、生徒が気の毒ですよね。
出張でしょうか、ドバイにも行かれましたよね?
米倉
行きましたね、私がいつも賛助出演していたベルリン交響楽団と世界各地のツアーをさせていただいていたのですが、私が最後に同行したのがドバイでした。3週間ほどの長いツアーで、「ドバイ IN CLASSICA 国際音楽祭」に参加しました。ウクライナ支援の側面があって、ウクライナ出身の作曲家をピックアップしたり初演作品の演奏をしたんですが、何よりソリストが超豪華で。ギル・シャハム(※4)やファジル・サイ(※5)を招いていて、今まで経験した中で一番豪華でした。でも運悪く、在任中だったドバイ首長国の前大統領が亡くなられたタイミングだったことと重なって、客席がガラガラでした。そもそもドバイにはクラシック音楽の文化がありませんからね。でもまさか、中東に行くとは思いませんでしたね。
充実したドイツ生活だったみたいですね。
米倉
そうですね、本当にいろいろな経験をさせていただけました。仕事をさせていただいたオケとの出会いから多くの話をいただいて。ベルリン交響楽団にはエキストラで頻繁に参加していましたが、その他にもブランデンブルクやポツダムといった近郊のオケに乗っていました。ご縁に感謝ですね。
※4 ギル・シャハム
わずか10歳でその才を見出され、その後も卓抜したテクニックと的確な解釈で活躍を続ける天才ヴァイオリニスト
※5 ファジル・サイ
日本では「鬼才! 天才! ファジル・サイ!」のキャッチコピーで知られるピアニスト・作曲家で、トルコ出身の国際的スター。
 
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