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Close-Up Interview
続・Close-Up Interview 米倉森
“中高生の目標に”を目標に
“中高生の目標に”を目標に
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少し話を変えます。WISH Wind Orchestra(以下WISH)にはいつ頃から参加されましたか? また入団の経緯なども教えてください。
米倉
私が大学四年生の時、団としては3年目でした。WISHは当時の洗足音楽大学一年生が同学年だけで立ち上げた楽団で、立ち上げメンバーの在学時は、リハーサルの会場や打楽器の借用などでは同大学に大変お世話になっていました。入団の経緯ですが、同郷でサックスを吹いていた友人に誘われての入団です。ただまさか、初めて行ったときから1stを吹くことになるとは思っていませんでした(笑)。それから皆さんとも仲良くなって、今でも続けることになって、自分でもびっくりです。これも本当に、ご縁ですね。
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WISHはその年の課題曲をいち早くコンサートで演奏していますね。
米倉
日本一早い課題曲コンサートを目指しています。私たちがやりたいことは、とにかく綺麗な画と音声の動画を配信することです。その動画が一年間、中学生高校生たちの目標になってくれればいいなと思います。そのためにいろいろな角度から撮影をして、例えば運指が見えるようにしたり、打楽器カメラを設置したりしています。これを多くの学生たちに見てもらえたらいいなと。そのためにも綺麗な画と音声が必要で、だからカメラもマイクもこだわっています。もともとWISHの代表だった中野正隆が、楽団運営を離れて企業し、現在はmermasa Recordsという会社を立ち上げて私たちの映像収録全般を行なっています。
今後は画面の中だけでなく、全国各地に生の演奏を届けていきたいです。吹奏楽オリジナル作品を演奏し続けて吹奏楽の歴史を繋いでいき、これから楽器を始める皆さんへの技術指導を通して、吹奏楽の魅力を伝えることを目標にしています。
今後は画面の中だけでなく、全国各地に生の演奏を届けていきたいです。吹奏楽オリジナル作品を演奏し続けて吹奏楽の歴史を繋いでいき、これから楽器を始める皆さんへの技術指導を通して、吹奏楽の魅力を伝えることを目標にしています。
やっぱこれだね
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使用楽器とセッティングについて教えてください。
米倉
楽器は今はビュッフェ・クランポンのトスカ。去年のPenta-CLamのコンサートでは山本先生にお借りしたフェスティヴァルを使っていたのですが、そのすぐ後にトスカのB♭管を買いました。そしてつい先日、同じくトスカのA管を買ったので、今はB♭、Aともにトスカです。マウスピースはプレイニックのプッチーニ トスカです。これでなければ吹きたくないというくらい気に入っています。リガチャーはずっとシルバースタインでしたが、つい最近十亀先生がプロデュースされたMyリガチャーに変えました。リードはV21の3番です。トスカの開きには3番がいい気がします。それから、フランソワ・ベンダモデルのバレルを使っています。私の中で間違いなく最高傑作の、ものすごい好きなバレルです。音色と響きがとにかくすばらしい。今のセッティングは自分ではすごくアツいですね。
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4月のリサイタルではストラップを使っていましたが、普段から使っていますか?
米倉
いえ、普段は使っていません。ただあのときは練習をしすぎたせいか、少し手が痛くなってしまって。
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ストラップを使うとやはり変わりますか?
米倉
良かったですよ、やっぱり軽くなりますし、楽になります。山本先生もストラップを使っていますし、それに加えてトンコイマンというサムレストに取り付ける補助パーツもつけていました。指回しも楽になりますし、中高生とかが使うのをいいんじゃないかと思います。
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では話を変えて、使用されているビュッフェ・クランポンの魅力を教えてください
米倉
私はもう、ビュッフェ・クランポンしかないと思っています。エーラーについてはヴーリッツァーやクロンターラー、ハンマーシュミットなどがあって一概にこれとは言えませんが、ベームにおいてはビュッフェ・クランポンだけですね。
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エーラーを使おうとはならなかったのでしょうか?
米倉
一時期エーラーで吹いていた時期はありましたが、将来を見据えるとベーム式かなと思って、ベームに落ち着きました。エーラーのときは学校で借りていたヴーリッツァーを使っていましたが、ある時オケの中で演奏したロッシーニの曲でどうしてもエーラーでは指が回らないことがあったので、その時はA管をRC、B♭管をヴーリッツァーで吹いていたりとか、そういうこともありました。でもいずれ、趣味ですがエーラーもほしいですね。
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