THE FLUTE157号特集
アンサンブルが生み出すハーモニーは、一人ではつくることのできない素晴らしいもの。呼吸やリズム、音色がピタッと会ったときの気持ちよさは、アンサンブルならではのものですね。しかし、それは簡単なことでないのも事実。今回のTHE FLUTE157号特集は、アンサンブル力を上げて、アンサンブル全体をパワーアップさせるために必要なことをプロにレクチャーしてもらいました。
そして……オンラインでは特別に、読者の皆さんから寄せられたアンケート“アンサンブルに関して、プロに聞いてみたいこと”について、今回特集を執筆いただいたプロ奏者の皆さんにご回答いただきました! フルート&ピアノ、フルートカルテット、フルートアンサンブル、吹奏楽という4つの分野それぞれで、皆さんの疑問への答えがたくさん……アンサンブルに参加している人なら必ず役に立つアドバイス、ぜひ参考にしてみてくださいね。
質問内容:
回答 Part3 金子博陽(フルートアンサンブル)
金子博陽 Hakuyou Kaneko
国立音大卒。ドイツ・シュツットガルト音大大学院卒。K.ショッホウ、A.ニコレ両教授に師事。元・ウルム市立歌劇場フルート奏者。(公・財)ニューフィル千葉(千葉交響楽団)フルート奏者を30年勤め退団。ドイツ国家演奏家。フルートフェスティバルin千葉2016実行委員長。フルートアンサンブルアンダンテ(千葉県八千代市・佐倉市)指導者。
THE FLUTE本誌157号に掲載の、「アンサンブルの中での自分の役割・楽器の特性」に詳細を記述しました。 ポイントは…
例)ハ長調の和音「ドミソ」の場合 →基音「ド」、第3音「ミ」、第5音「ソ」
・基音と第5音を合わせる
・その響きの中に第3音を入れる
・「ミ」は音程を少し(1~2ヘルツ)低くとる。
※長調の第3音は少し低め、短調の第3音は少し高めにとると美しい。
さらなる詳細は、本誌P25「アンサンブルの中での自分の役割・楽器の特性」をご参照ください。
全体を一度通して練習し、問題箇所を見つけましょう。その部分をゆっくり、リズムを取りながら歌い、ファースト奏者とセカンド奏者で交互に吹くなど、パート練習をします。 その後、全パートで練習します。ゆっくりと丁寧に吹いてみましょう。指が追いつかないときはより遅く、これなら吹けるというテンポで練習します。
自分の役割を知ること。全員でスコアを読み、自分が何の役目なのかをつかみましょう。そのことで、ただ吹いていたのでは見えなかったものが発見されます。
(注)メロディを殺さないように
私も、「フルート合奏のためのアンサンブル・エチュード」をおすすめします。私自身も使っています。
仲間とともに音楽会に足を運んでみるのはいかがでしょうか。余韻の冷めぬうちに、今日の音楽について語り合いましょう。このとき、悪い批評はせずに、良かったことを話してみてください。 人間に完璧はありません。それを目指し、努力することが美しいということを仲間どうしで感じられるといいですね。
お詫びと訂正
THE FLUTE本誌157号のP.24に誤記がありました。お詫びして訂正致します。
中段囲みの中
(誤)強く吹く→低くなる
(正)強く吹く→高くなる