THE FLUTE157号特集
アンサンブルが生み出すハーモニーは、一人ではつくることのできない素晴らしいもの。呼吸やリズム、音色がピタッと会ったときの気持ちよさは、アンサンブルならではのものですね。しかし、それは簡単なことでないのも事実。今回のTHE FLUTE157号特集は、アンサンブル力を上げて、アンサンブル全体をパワーアップさせるために必要なことをプロにレクチャーしてもらいました。
そして……オンラインでは特別に、読者の皆さんから寄せられたアンケート“アンサンブルに関して、プロに聞いてみたいこと”について、今回特集を執筆いただいたプロ奏者の皆さんにご回答いただきました! フルート&ピアノ、フルートカルテット、フルートアンサンブル、吹奏楽という4つの分野それぞれで、皆さんの疑問への答えがたくさん……アンサンブルに参加している人なら必ず役に立つアドバイス、ぜひ参考にしてみてくださいね。
質問内容:
回答 Part4 礒田純子(吹奏楽)
礒田純子 Junko Isoda
福岡県出身。中学・高校時代は吹奏楽に明け暮れる日々を過ごす。大阪芸術大学芸術学部演奏学科卒業。大学卒業後フリーランスとして、様々なプロオーケストラにフルート・ピッコロの客演奏者として活動し、多くのCD録音やTV出演にも携わる。その後、オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ(旧・大阪市音楽団)に入団。フルートを日野裕子、待永望、持田洋、パウル・マイゼン、細川順三の各氏に師事。 楽団ホームページ http://shion.jp(無料会員募集中!!)
純正律という音程の取り方をするということをご存知でしょうか?いわゆる、人間の耳に心地よい響きなのですが、自分が吹いている音が、それぞれの和音の根音・第3音・第5音、一体どれなのかを理解してください。そのうえで第3音なら低めに、第5音なら少し高めに取らないと、美しいハーモニーにならないのです。チューナーで各自が合っていれば和音が合うというものではないんです。音って不思議ですね!
フルートだけで合わさず、スコアを見て同じフレーズを演奏している他の楽器ともセクション練習してみてください。演奏している時に何が聴こえてくるのか・どのパートを聴きながら演奏しなければならないかを、理解しておくことが効率のよい練習につながります。 スコアをあまり見ない人が多いですが、スコアは指揮者だけのものではありません。チェックしておくと音楽の絡みがよく分かり、リズムが噛み合うのも早くなりますよ。
録音して、客観的に聴くことをしてみましょう。案外吹いている最中に気付かないことに気付けます。
「アルテスフルート教則本」はハーモニー練習もできますし、メロディの歌い方や伴奏の役割など、練習していると自然と身に付く教材になっていますのでオススメです。基本的な二重奏の仕組みが身に付きます。
一緒に演奏する人を尊重しながら、普段から練習することでしょうか。いろいろ思うところがあっても、お互いに素晴らしい点は学び、足りない部分は指摘しあえる人間関係になっていれば、よいアンサンブルができると思います。みんなでひとつの曲を作り上げているので、独りよがりな演奏は禁物ですしね! 普段から仲間たちと他愛ない話もたくさんして、よい信頼関係を築いてくださいね!