サックス記事 ダウンロード音源連動インタビュー│AKIマツモト&彦坂僚太
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THE SAX vol.104[特別全文掲載]

ダウンロード音源連動インタビュー│AKIマツモト&彦坂僚太

MUSIC

サクソフォニスト、ピアニストともにお手本にしてほしい音源

今号付録のダウンロード音源に収録したグラズノフのピアノ伴奏の音源。他にも会員限定でダウンロードできるクレストン、次号でダウンロード可能なイベール。これらのクラシックの名曲の伴奏のみの音源は非常に珍しく画期的なものではないだろうか。このピアノを担当してくれたのは連載「アンサンブル道場」で執筆しているAKIマツモトさん。そしてエンジニアはサックス奏者であり、YouTubeの動画配信などをやっている彦坂僚太氏だ。ここでは今回の収録で二人が感じたこと、読者へのメッセージを訊いた。

生身の人間が弾いている音源

今回はイベール、クレストン、グラズノフという名曲中の名曲のピアノ音源を収録していただきました。そもそもこの企画はマツモトさんからご連絡をいただいて実現しましたね。
AKI
はい。最初はグラズノフの『コンチェルト』の前半部分だけのピアノ伴奏を彦坂くんと一緒に録ってYouTubeに上げようと思ったんです。なぜ前半だけかというと、東京藝術大学の入試でグラズノフの前半が課題の一つになっていて、他の課題はすべて無伴奏なのにグラズノフだけピアノ付き。しかも、藝大のピアノの先生と試験当日に顔合わせをして、試験を受ける仕組みなんです。それで練習用に伴奏音源があったら、みんなの役に立つかなと思ったのがきっかけです。
彦坂
受験生にとってとてもありがたい企画ですね。
AKI
そういう企画があることを齊藤健太さんに言ったら、「それなら、THE SAXで取り上げてもらえば? クラシックのピアノ音源なんてないからいい企画だと思うよ」と言ってくれて、その日のうちに編集部に連絡しました。
彦坂 実はYouTubeにアップするという話だったときには著作権のことが心配だったんです。でも今回の企画で著作権のことは編集部がやってくれるというので、クリアになって安心しました。
そもそもお二人はいつごろ知り合ったのでしょうか?
AKI
藝大の同級生のサックス奏者 宮越悠貴くんがリーダーを務めているサクソフォン クインテット“ファイブ バイ ファイブ”のライブで、エキストラで出てくださったんですよね。
彦坂
3年ぐらい前ですね。そのとき、僕のオリジナルの曲も弾いてくださったことを覚えています。
AKI
私は宮越くんのピアノ伴奏を東京藝術大学付属高校の時からやっていたので、私と宮越くんが高校生の時に、お父さんの彦坂眞一郎さんのレッスンを受けにご自宅にお邪魔したこともあって、彦坂くんは身近な存在でした(笑)。
彦坂
そう言ってくれるとありがたいです。
お二人で収録したのは今回が初めてですか?
AKI
以前録音をしたときに、お手伝いしてくれたことがあるんですよ。サックス奏者でもあるので、いろいろわかってもらえて心強いです。

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PROFILE
AKIマツモト

東京藝術大学音楽学部附属音楽高校、東京藝術大学器楽科卒業。アンサンブルピアニストとして須川展也,齊藤健太,上野耕平,住谷美帆を始めとする日本を代表するサクソフォン奏者と共演多数。2018年「第9回スロヴェニア国際サクソフォンコンクール」優勝の住谷美帆氏、2019年「第7回アドルフサックス国際コンクール」優勝の齊藤健太氏の伴奏を務める。「第9回スロヴェニア国際サクソフォンコンクール」公式伴奏者。2022年7月岡山県倉敷市で開催予定の「第19回ワールドサクソフォンコングレス」公式伴奏者。TV朝日「題名のない音楽会」BS日テレ「恋するクラシック」NHK-FM「リサイタル・パッシオ」等メディア出演。2020年5月オリジナル曲による1stアルバム「Back to the Moon」リリース。

彦坂僚太
1995年生まれ 10歳よりサクソフォンを始める。市立柏高校卒業、上野学園大学卒業。サクソフォンを故新井靖志、彦坂眞一郎、松原孝政、長澤範和の各氏に師事。 現在は演奏活動のほか、サクソフォン講師、レコーディングエンジニア、映像編集、配信機材コンサルタントなど多岐に渡り活動している。

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