サックスを始めたきっかけ
2010年3月25日に発刊したTHE SAX最新号(40号)の表紙を飾ってくれたGAMO、谷中敦の両氏。東京スカパラダイスオーケストラのフロントを務めるサックス隊の2人が、サックスを 始めたころから今に至るまで、どのように“練習”を積んできたのか、またどんな壁にぶつかったのか、そんな裏話を聞かせてくれた。
憧れたプレイヤー
(2010.02.12インタビュー)
GAMO 憧れのプレイヤーは、ソニー・ロリンズですね。東京に出てきて間もないころ、新宿ピットインという老舗のジャズライブハウスでバイトをさせてもらったんですが、当時はブルーノート東京もまだないですから、いろんな名手が出演するわけです。そこで、働きながらホーンセクションの音を生で聴いてきたのが大きな財産ですね。当時は耳コピもしましたけど、遅回しになるような便利な機械もなかったですから、速いフレーズが出てきたりすると「オイオイ、マイケル・ブレッカーさん、これどうやって吹いてるの?」って時間をかけてやってましたね。
谷中 サックスを始めるときは、憧れのプレイヤーはいませんでした。というか、あまりよくわからなかった(笑)。バリトン買ったらバンドに入れてやると言われて、買ったんです。むちゃくちゃなところからサックスの世界に入ってるので、バリトンの名プレイヤーがたくさんいるってことをだんだん知っていきました。 ジェリー・マリガンはスムースだけどこんなふうに吹くのは大変だなと思ったり、逆にバリトンらしい音色のほうが僕は好きだと思ったり。ロニー・キューバーを聴いて、この人はバリトンらしい音だし、ロックな感じもあってラテンのバンドにも参加していてかっこいいなと思った。彼には一度1時間くらい教わったことがあるんですが、小さい鍵盤で彼がジェームズ・ブラウンの曲を弾いて「これに合わせてソロを吹いてみろ」と言われて、吹いてるうちにあっという間に1時間終わってしまった(笑)。「今の音いいね」とか言ってくれてるうちに終わっちゃって、最後に「バリトンは歌を歌うように吹いたほうがいいよ」と言ってレッスン終了でした(笑)。面白かったですよ。