山元康生の吹奏楽トレーニング!│第9回
リズム変奏は回り道に見えるが実は近道
リズム変奏について、もう少し詳しく【譜例4】でプロコフィエフのソナタを例に説明しておきます。
プロコフィエフ作曲「ソナタ」第2楽章より
1は楽譜通りの形です。
速くて大変難しいです。
【譜例3】の「for 4 notes」を応用して練習します(①~⑤)。
1の4連符×3の12個の音符は2のように6連符×2とみなすこともできます。
その場合【譜例3】「for 6 notes」のリズム変奏を応用することができます(①~⑤)
このパッセージは最後の4連符が特に難しいので、それをゆっくり吹いたり、他をゆっくり吹いて4連符を速く吹くという練習方法もあります(option)。
リズム変奏以外の練習方法としては、【譜例5】の「分割⇒結合練習」「折り返し練習」も大変有効です。
プロコフィエフ作曲「ソナタ」第2楽章より
2では、それぞれの拍ごとに分割して練習します。ここも厳密に言えば1拍ではなく、1拍+次の1音で結合に備えます。
3では、それぞれを一方通行ではなく折り返しで練習します。
12個の音符を6連符×2とみなした場合、4の部分練習ができます。
さらに、それらを折り返し練習すると5になります。
さらに、それらの折り返し練習の12個の音符を4連符×3とみなすと6の折り返しになります。
上記に【譜例3】のリズム変奏を応用して練習すると、驚くほど短時間のうちに上手に吹けるようになります。
なんだか面倒くさい練習のように思えるかもしれませんが、楽譜通りの形で100回練習するよりも、はるかに早く上達します。
マニアックと言われようが何と言われようが、このくらい難しいものは丁寧に練習しないと、いつまでたっても吹けるようになりません。