Smooth Jazz Vibes
人間の歌声に最も近い楽器と言われるサックス。そして、その武器を最大限に発揮できるジャンルはと言えば、それはスムース・ジャズということになるのではないか。もともとはグローヴァー・ワシントンJr.が、R&Bシンガーが歌うかの如くサックスを奏でたことが、スムース・ジャズ誕生のきっかけだ。その原点に返って、R&Bフィールが横溢する甘美なスムース・ジャズの世界に迫る。
エヴァレット・ハープ
かつて“101North”というユニットで活動し、その後はジョージ・デュークの秘蔵っ子のような形で、様々なセッションで引っ張りだこになった。1992年に「エヴァレット・ハープ」でソロ・デビューを果たし、そのファンキーで歌心あふれるサックス・プレイと、ポップなサウンドで高い人気を獲得、またセッション・プレイヤーとしても、様々なアーティストをサポートしてきた。音楽性の幅広さと自由な発想が、彼の音楽の大きな魅力だ。
ユージ・グルーヴ
1990年代前半にタワー・オブ・パワーのメンバーとしても活躍し、またリチャード・マークス、ジョー・コッカー、ティナ・ターナーなどと共演してきた。2001年に「ユージ・グルーヴ」でソロ・デビューを果たし、シングル『ビニール』がスムース・ジャズ・チャートで連続27週チャート・インするというロング・セラーとなり、トップ・アーティストの仲間入りを果たした。ファンキーだが、洗練された音色とソロは、彼独特の魅力だ。
ミンディ・エイベア
キャンディ・ダルファーと並ぶ、女性サックス奏者。ジョナサン・バトラーのグループを経て、2000年にアルバム「Always and Never the Same」を自主制作。その後GRPレコードと契約して、2003年にリリースしたアルバム「イット・ジャスト・ハプンズ・ザット・ウェイ」が、スムース・ジャズ・チャートで1位を獲得した。メロディアスでポップなアプローチと、エモーショナルなサックスが融合したサウンドは、大きな魅力だ。
The Sax Pack
ジェフ・カシワ、キム・ウォーターズ、スティーヴ・コールという、スムース・ジャズ界きっての人気サックス奏者3人によるユニット。2008年に「The Sax Pack」をリリースし、翌2009年にセカンド・アルバム「The Pack Is Back!」をリリースしている。ポップなスムース・ジャズ・サウンドに乗せて、バトルというよりは、アンサンブルという感じのプレイが展開されており、3人のサックスが、それぞれの個性を尊重し合いながら歌っている。